建築用語のなかには専門知識がなくても理解できるものも少なくありません。以下に挙げるのはどれも基本的なものなので、今後建築に携わる予定があるなら確実に理解しておきましょう。それだけで他の作業員とのやりとりがスムーズになりますし、依頼主の立場でも知っておくと役に立つことが多いです。
「合い釘」は多くの場面で用いられる手法の一つです。通常の釘とは異なり両方が鋭くなっているタイプで、主に木材を繋ぎ合わせるために利用します。もしくはその釘自体を指すこともあるので注意しましょう。また、通常の釘を切って使用することも多いため、実際には片側だけが鋭くなった状態で木の中に収まることもよくあります。「亜鉛鉄板」はその名の通り亜鉛でメッキをした鋼の板であまり厚みはありません。現場ではトタンと呼ばれることも多く、簡易な屋根などの素材として用いられることが多いです。普通は着色してから使いますが、10年近くになると錆が生じてしまうので塗り直しが必要になります。
「木裏」とは木を板にしたときに、芯側にあたる方向です。木表と比較すると全体的に赤の色合いが強くなっており、節の数も多いという特徴があります。さらに水はけが悪いというデメリットもあるので、仕上げの面として採用することは稀です。縮むことがあまりないので、木表側に反り返るのが一般的となっています。「木地」も木材に関する基本的な用語の一つであり、現場では何度も目にすることになるでしょう。かんなで木材を削ってそれ以外の施工を行っていない状態を指します。木材をカットした状態と勘違いされがちですが、そちらは表面が滑らかではないので混同してはいけません。
一方、「配筋」は鉄筋に関する施工の手法です。設計にそって鉄筋を切断したり湾曲させたりして形を整えていきます。その状態で結び付けながら骨組みを構築していくのが一般的です。「通気層」は空気の流れを円滑にするために設ける隙間であり、住まいの快適性や湿度などに大きな影響を与えます。高性能な断熱材を入れつつ壁の内側に生じる結露を避けたい場合は、特にしっかりと確保しておかなければなりません。「摩擦杭」は建物だけでなく地面にも関わる工具です。両者を摩擦によって支えるのが大きな役割であり、地盤の良し悪しによって緻密な調整を施すことになります。また、建物の垂直方向の負荷を支える部分は「耐圧盤」と呼ばれているのでセットで覚えておくと良いでしょう。