「SANAA」とは日本人の建築家である妹島和世と、西沢立衛の2人による建築家ユニットです。SANAAの名称は「Sejima and Nishizawa and Associates」の略称とされており、活躍ぶりの概要を紹介すると日本はもとより世界の建築界に多大な影響をもたらすような実績があります。

世界の建築界の最高峰ともされるプリツカー賞をはじめとして、日本建築学会賞は2度受賞しており、その他にも金獅子賞など多数の受賞歴がある事も特徴です。
歴代建築の主な実積を見てみると、まずは1996年に完成した「熊野古道なかへち美術館」があります。和歌山県の熊野古道の山々に囲まれたロケーションの美術館は、デザイン性も非常に優れた近代的な建物になっています。まるでガラス箱のようなフォルムで、光が放出されているように見える外観が特に印象的です。そして同年に岐阜県に設立された国際情報科学芸術アカデミーも、SANAAが手がけた建物です。
その後にも横浜市六ツ川地域ケアプラザや、飯田市の小笠原資料館などを手がけ、2000年には海外進出も果たしています。イタリアで行われたヴェネツィアビエンナーレ第7回の国際建築展における日本館「少女都市」の構成を担当しています。これ以降は日本のみならず海外での活動も目立つようになりますが、見逃せない日本の作品が2004年の金沢21世紀美術館でしょう。石川県金沢市広坂にある公立美術館で、丸いフォルムが印象的な部分から「まるびぃ」という愛称で親しまれています。やはりガラスの天井と円形ガラスの外壁で構成されており、館内の見通しが非常に見渡しやすいという特徴です。
この建物の設計者ユニットであるSANAAはこの建物をきっかけとして、ヴェネツィアビエンナーレの第9回における国際建設展のトップの扱いである金獅子賞を獲得しています。
そして世界各国の建築物を手がけるようになりますが、ロンドンやニューヨークといったグローバルな建築を手がけていきました。そしてそれらの功績が認められた事もあり、2010年にはアメリカ合衆国の栄誉でもあるプリツカー賞を獲得するのです。また2013年にはフランスの銀の定規賞も獲得し、世界にSANAAの名を知らしめるには充分の実積を残しているのです。
また現在でもパリの百貨店や台湾の台中城市文化館などの計画が進行中だと言います。日本人が誇る建築家ユニット「SANAA」の活動は今後も目が離せない事でしょう。