“建築家の藤本壮介は、全国各地で作品を手掛けている建築家の1人で、40代にして既に約30の作品を形にしてきた実績があります。藤本壮介の生まれは北海道で、子供時代に世界的な有名建築家、アントニオ・ガウディの作品を見て衝撃を受けたのが建築家を目指すことになった理由です。
1990年に北海道の旭川東高等学校を卒業後、1994年に東京大学の工学部建築学科を卒業しています。大学卒業後はいわゆるニート状態でしたが、そんな中でも腐ることなく、地道に建築設計に取り組むことで技術を磨きました。その努力は、青森県立美術館の設計競技大会における受賞で報われます。優秀賞を受賞したことで注目を集め、建築家としての道がひらき、有名建築家の第一歩を進むことになります。同年には自分の名前を冠した建築設計事務所の設立を実現、2009年まで京都大学や昭和女子大学などで非常勤講師を歴任しています。また、2009年には東京大学の特任准教授に就任していますから、まさにドラマのようなサクセスストーリーだといえるでしょう。
2013年の時点で一時的に教職なしになっていますが、これは建築設計に注力するというのが理由の1つだと思われます。実際に2013年以降も作品作りに精力的で、広島や東京と香川に作品を残しています。この頃から海外での作品も目立ち始め、世界を股に掛ける建築家の仲間入りを果たしました。名実ともに藤本壮介が有名建築家になったのは、2012年にイタリアで受賞した国際建築展の金獅子賞受賞でしょう。それまでにも、国内外で最優秀賞や金賞などをいくつも受賞していますが、特に規模が大きく注目度が高いのはこの国際建築展です。
現在は活動拠点をパリに移し、海外を舞台に新たな作品作りに挑戦しています。50代を目前に脂が乗っていますし、作品も受賞の実績も十分なので、活躍の場とチャンスは大きいと考えられます。歴史に名を刻む有名建築家と比べると、まだまだ可能性を期待させてくれますし、今後の活躍や将来的にどのような作品を見せてくれるのか楽しみにさせます。いくつかの著書やテレビ出演によって、藤本壮介の名前は広く知られていますが、逆に名前を知らなくても代表的な作品の情緒障害児短期治療施設を見た人は多いはずです。
武蔵野美術大学図書館も藤本壮介の作品ですから、奇抜さを用いず印象に残る作品を作る建築家で、実用性も兼ね備える洗練された作品が人を惹きつけることが分かります。”