住宅建築は名前の通り家を造ることで、具体的には人が生活する家屋の建築を指します。住宅は人類史の歴史と共に発展してきたもので、地域や年代によって形態や空間の扱い方に違いが見られます。
初期の住宅は現在の住宅建築からすれば非常にシンプルで、雨風をしのぐ目的が中心でした。
次第により丈夫な壁や屋根を造る技術が発展して、いつしか住宅に快適性が求められるようになります。また、家族が集うリビングと寝室が分けられたり、来客用の応接間が誕生することにもなりました。現代の住宅建築は長期的に人が安心して暮らせたり、家財を守る為に安全の技術を取り入れた建築が主流です。例えば地域によって異なる地盤に手を加えて改良、安定化を図ったり、地震の揺れに耐えられる構造もその1つです。
更には温度変化が小さく冷暖房効率が高まる断熱、湿度に合わせて湿気を取り込んだり放出する内装材も重要な要素になっています。住宅建築はとにかく要素が多く、地盤や基礎に始まり構造と工法や空間設計、部屋のレイアウトや建築物を構成する部材と幅広く膨大です。住宅設計では、これらを隅々まで検討に検討を重ねて形にしていく必要がありますから、設計に携わる国家資格があって専門家がいるのも納得です。全く知識のないところから一人で家を造る人もいますが、それはとても大変なことで時間が掛かります。
専門家は建築に関する知識と設計の技術、経験があるからこそ、施主の注文に耳を傾けて設計や建築が行えるわけです。住宅建築の基本的な流れとしては、地盤の調査や地鎮祭といった準備に始まり、地盤改良工事を経て基礎工事に進みます。基礎は地盤を掘り起こしたり土中の植物の根を切り、砕石を敷き詰めて固める作業が中心です。基礎の作業は住宅の快適性に影響するので、湿気が入り込まないようにしっかりと丁寧に仕上げることが大切です。
次に配筋工事で建物の構造となる鉄筋が組み上げられ、生コンクリートを打設してようやく家の形が見え始めます。この時に給排水管などの工事を行い、木材が搬入され部屋の土台が設置されていくことになります。屋根を造りサッシを設置して電気工事や断熱工事も行われますが、ここまでに中間検査のチェックが入るのが一般的です。床にも断熱材が敷き詰められ床下地が出来上がり、外壁や内装を仕上げてドアや階段、手すりなどが設置されていきます。作業が終盤に入らないと足場は外れませんが、足場が解体されればいよいよ完成間近です。内装にクロスが貼られたり、壁にコンセントやスイッチが設置されると、ついに生活できる空間が現れます。最後に外構工事、竣工検査を済ませて引き渡しとなります。